昔話に様々な話がある様だが、何となく思い出せる昔話一つ。
昔々、麦と蕎麦がえだっけど、冬の寒い日に一人のばさまが来て、麦と蕎麦に川向こうまで渡りたいのだが、おれば「おぶって」川向まで渡してけろて、頼んだど、したれば麦はおら寒くてやんだて言うたど、したれば蕎麦が、ばさま俺さんばれて言うて冷たい川を、ばさまを背負ってジャボジャボと渡ったんだど、だげど川の水が冷たくて蕎麦の足が痛くて真っ赤っかになったんだっけど。 ふんださげて、蕎麦の茎は今も赤いんだどっす。 そして、これを見ていた神様が蕎麦はなかなか感心だから、暖かい夏に楽に育つ様にしてけだんだど、 麦にはお前は根性が悪いがら冬の寒いときに踏まれて育つのだど、だから人様には親切にさなねんだなぁ〜。